精神科医の選び方

精神科に行く勇気が持てない

ブラック企業で心身ともに疲れ切っている方は多くいらっしゃると思います。

かくいう私もその一人で、精神科に通院していました。

でも、中には精神科は敷居が高くて行きにくい方もいるみたいですね。

僕も初めてこの門をたたくときは相当悩みに悩み、なかなか行動に移せませんでした。

みなさんも、きっと以下のような心配があるのではないでしょうか。

・精神科は重度の患者が多く、怖いイメージがある。

・精神科は他の診療科と違って長期に渡って通う必要があり、腰が重い。

・精神科で本当に今の悩みを親身になって聞いてもらえるだろうか?馬鹿にされたり説教されたりしないだろうか?

・継続的に通院するとお金がかかる。

・精神科って予約が取りにくくてつらいときにすぐに行けない

・精神科の医師との相性が心配・・・

・家族や勤務先、友人に知られたら嫌だなぁ。

などなど。

このような想いを持たれるのは自然なことだと思います。

しかし、結論から言うと、こうしたことは本当に心配しなくて良いです。

上記のそれぞれの不安に対して、数々の精神科や心療内科を転院し、入院経験まである僕が一つ一つ解きほぐしていきたいと思います。

・精神科は重度の患者が多く、怖いイメージがある。

→そんなことは全くありません!現代高ストレス社会とされ、うつ病およびその予備軍が日本に約1,000万人いると言われています。「少し最近食欲がないな」とか、「最近よく眠れないな」なんてレベルで気軽に行くことのできるところなのです。実際に、僕の職場でも、「仕事の緊張で最近少し胸がドキドキする」程度で一度だけ眠り薬をもらった方もいます。その方は言われなければ絶対に精神科に行っていたとは思えない人です。

実際に行ってみると、外見からは何も感じないような普通のサラリーマンや主婦の方が大勢いらっしゃいます。僕が入院していたときでさえ、一見健康そうな方ばかりでした。本当に症状が重い方は専用の病棟にいることが多いみたいですね。

・精神科は他の診療科と違って長期に渡って通う必要があり、腰が重い。

→上でも述べたように、ちょっとした不安や悩みで行って終わる方もたくさんいます。それに、そもそも長い期間通わないと行けないデメリットってなんでしょうか?現在は非常に多くの精神科心療内科があります。Googleで調べれば一目瞭然です。そのため、病院も競争が激しく、例えば土曜日日曜日も開業していたり、平日夜遅くまで開業していたりなど、通勤や家事で忙しい方でも行きやすいです。

また、しばらく通ってみて、「もう大丈夫そうだな」と思ったら遠慮無く通院をやめてかまわないと僕は考えています。もちろん、本当につらくて適応障害やうつ病などが進行してしまった場合には、医師の指示を聞いて治療を続ける必要があります。別に精神科だけが長期的に通うわけではありません。整形外科ではリハビリの患者が多くいらっしゃいます。クオリティーオブライフの向上のために定期的に内科に通う方も多くいます。ニキビで学生時代に何年間も皮膚科に通った経験がある方も多いのではないでしょうか。そんなもんですよ。

・精神科で本当に今の悩みを親身になって聞いてもらえるだろうか?馬鹿にされたり説教されたりしないだろうか?

→まず、馬鹿にされたり説教されたりすることはまずないと考えていいと思います。僕はこれまで10件以上の病院に通いましたが、説教されたことは一度だけです(笑) そのときは、「別の病院ではこのような薬を渡されたのだが精神科というものが初めてで怖く、先生でも同じような診断をされますでしょうか?」と尋ねたところ、ドクターショッピングみたいなことはやめるよう注意を受けました。普通の医師はこんなことでは怒りませんのでご安心を(笑)

親身になって聞いてもらえるかどうかは、残念ながら医師次第です。じっくり話を聴くタイプの医師もいれば、数分で薬を渡されて終わる医師もいます。こればっかりは、いくつかの病院を回ってみることをオススメします。

・継続的に通院するとお金がかかる。

→精神科が特別に費用が高いわけではありません。ですが、定期的に通うことで、どうしてもお金はかかってしまいます。しかし、国はそんなことは百も承知で、費用を安く抑える様々な制度が用意されています。困ったときに調べてみると、けっこう救済策は残されているものですよ。具体的には、自立支援医療制度、精神障がい者保健福祉手帳、傷病手当金、労災保険、障害年金、労災保険などです。僕はこれらのすべての申請を自力で行った経験がありますので、また別の機会にそれぞれの制度について書きたいと思います。

・精神科って予約が取りにくくてつらいときにすぐに行けない

→実際に、良い先生のいる個人病院では、予約が1ヶ月以上先になってしまうケースがあります。僕もかつて、職場のストレスで涙が止まらなくなり、わらをもつかむ思いでスマホで調べた病院へ片っ端から電話したことがありましたが、数件は断られてしまいました。というか、「今苦しいのに1ヶ月先と言われても・・・」という感じです。しかし、よほどの地方に住んでいる場合は別ですが、根気よく探せば必ずあります。僕も地方で何度も通ったことがありますが、見つけられなかったことはないです。大丈夫です。

・精神科の医師との相性が心配・・・

→これはおそらく全員が抱える「共通悩」です。どうしても精神科は、カウンセリングのように患者の話を聴いて「心の中」を探るところですので、内科や耳鼻科のように触診や検査では見えづらいですよね。相性の良し悪しはやっぱりありますね。精神科の医師は、他の診療科と違って器財の購入が必要なく、簡単に開業できます。がん治療や手術などの肉体的負荷もかかりにくい分野です。なので、「使えない医者」はたくさんいるのも事実です。僕も経験上、信用できない医者はいました。ですが、病院なんてコロコロ変えてしまえばいいんです。ダメだと言う医者もいますが、それは商売だからです(笑) 他の診療科だって別の病院に変えることはあると思います。精神科だからダメなんて理由は一切ありません。転院しているうちに、必ず相性の良い医師に出会えますよ!

・家族や勤務先、友人に知られたら嫌だなぁ。

これについても全く心配ありません!健康保険証の使用で会社の総務や人事にバレないかを考えてしまうかもしれませんが、職場と健康保険組合は全くの別組織で、情報が共有されることはありません。というか、あってはならないです。個人の病歴は個人情報の中でも高度に守られる情報なので健康保険組合から職場に連絡が行くことはありません。公務員でも同様ですよ。もちろん、家族も同じです。家族も友人もこちらからカミングアウトしなければ絶対にバレません。実際に僕も1年半もの間、親に内緒で通っていましたがいまだにバレてません(笑)まあ、今の時代よくある話なので、カミングアウトされた方も、「そうなんだ」くらいにしか思わないですね。

あと、精神科に通っていたから生命保険に入れないとか、そういうことを心配されるかたもいらっしゃるかもしれませんが、少しの期間通っただけでは保険調査員にはバレません。これは医師に実際に確認しました。個人情報ですからね。また、長く通っていても、現在は精神疾患を抱えている方も加入できるプランがあり、正直に申告をしさえすれば問題ありませんよ。

今回は、つらくてつらくて苦しいのに、精神科の門をたたくのを躊躇している方向けに、自分の経験を書いてみました。こうした病気も、病院へ行くことでよくなる方はたくさんいらっしゃいます。あまり深く考え込まずに行ってみるのも手だと思いますよ。

どんな病院を選ぶべきか?

以上を踏まえて、僕の経験から、精神科医の選び方の基準をお伝えできればと思います。参考程度にしていただけたら幸いです。

①通いやすいところにある

→距離的通いやすさは心理的通いやすさにつながります。会社帰りに寄れるところ、自宅から近いところなどです。多少遠くても車でスイスイ行けるなら問題ないでしょう。僕は車で通ってましたがストレスはなかったです。

②診察の予約が取りやすい

→精神的な病気は、ときには死んでしまいたいと思うほど追い詰められることがあります。そんなとき、病院に電話したら、「今は予約でいっぱいで2週間後なら・・・」なんて言われたらどうですか?それでは病院の価値なしです!笑 当日予約は無理でも、なるべく早く調整してくれる病院を選ぶべきです。そういう病院なら、自分も安心して「頼ってみよう」と思えますね。

③医師が患者の話を聴く態度があること

→精神的な症状は、人に話すことが何よりも大きな治療薬です。にもかかわらず、医師が患者の目も見ずにカタカタとパソコンばかりを向いていたり、医者の考えを押しつけてくるようなところはやめた方がいい思います。1回通えば大体の雰囲気はわかると思います。

④待合室が清潔&受付が親切

これから病院に行くっていうときに、愛想の悪い受付の汚いところへ行く気になれませんよね。患者思いの医者は看護師やスタッフへも気配りができ、そうした雰囲気は患者に伝わります。最近は病院も口コミが多くなり良い意味で淘汰されていくしょうね。でも、医者と相性さえよければ我慢するのもありです。

⑤待ち時間が長くない

病院に行ってすぐにでも苦しみから解放されたいときに、2時間待ちとか3時間待ちとか言われたらそれだけで気分が悪くなりませんか?僕はかつて、7時間待ったことがあります(笑) 耐えられなくてすぐに切りましたが(笑) 精神科は一人一人の診察に時間がかかることがあるので仕方が無い部分はありますが、予約制にするなど患者を待たせない工夫をしている病院は安心できます。予約日時の変更も嫌な顔せずやってくれるところは通いやすいですね。

⑥医者が協力的

これ、けっこう大事です(笑) 精神科というのは、休職のための診断書や、傷病手当金の診断書や、障害年金の申請など、「診断書」を作成することが多い診療科です。すぐにでも会社を休まないと危険な場合でも、診断書を書かないスタンスの医師もいます。治療にはいろいろとお金がかかるので、負担を減らすための様々な手段に対して理解のある医者だと助かりますね。

今回は、精神科の選び方について僕の考えを書きました。皆様が良い医者に出会えて快方に向かわれることを願っています。